第1回では、「ボイラーって何?」というところから始まりました。
ここまで、ボイラー・循環ポンプ・熱交換器・膨張タンクについて見てきました。
今回は、このシリーズの締めとして、ボイラーで作られた熱が、どのように部屋まで届くのかを一緒に見ていきましょう。
熱はボイラー室から始まります
まず、ボイラーで熱を作ります。
その熱は温水へ伝わります。
でも、このままでは建物を暖めることはできません。
熱を必要な場所まで運ばなければならないからです。
循環ポンプが温水を送り出します
ボイラーで温められた温水は、循環ポンプによって送り出されます。
配管の中を流れながら、建物の中を移動していきます。
私は現場では、「ポンプが回っているか」だけではなく、「温水がちゃんと流れているか」を見るようにしています。
AHUで温水の熱を空気へ渡します
運ばれてきた温水は、AHU(エアハンドリングユニット)の熱交換器へ入ります。
AHUの中では、ファンが空気を吸い込み、その空気を熱交換器へ通します。
すると、温水の熱が空気へ伝わり、暖かい空気になります。
もちろん、温水と空気が混ざることはありません。
熱だけが空気へ渡されているのです。
暖かい空気が部屋へ届きます
暖められた空気は、ダクトを通って各部屋へ送られます。
天井の吹出口から出てくる暖かい風は、このAHUで作られたものです。
つまり、ボイラー室で作られた熱は、温水となって建物の中を流れ、最後は空気となって部屋へ届いています。
温水はまたボイラーへ戻ります
熱を渡え終えた温水は、そのまま捨てられるわけではありません。
戻り配管を通って、再びボイラーへ戻ります。
そして、もう一度温められ、同じ流れを繰り返しています。
温水設備とは、この循環によって成り立っている設備なのです。
設備は一つの流れで動いています
このシリーズでは、それぞれの設備を一つずつ見てきました。
- ボイラーは熱を作る。
- 循環ポンプは熱を運ぶ。
- AHUの熱交換器は熱を空気へ渡す。
- 膨張タンクは圧力の変化を受け止める。
どれか一つだけでは暖房は成り立ちません。
それぞれが役割を持ち、一つの流れとして設備が動いています。
私は設備を流れで見るようにしています
現場で不具合が起きたとき、私は一台の設備だけを見ることはありません。
熱はどこまで届いているのか。
温水は流れているのか。
AHUで熱は空気へ伝わっているのか。
暖かい空気は送られているのか。
そして、温水はボイラーへ戻ってきているのか。
この流れを頭の中でたどりながら、一つずつ確認していきます。
原因は、止まっている設備とは別の場所にあることも少なくありません。
だから私は、設備は「点」ではなく「流れ」で見ることを大切にしています。
今日のポイント
ボイラーで作られた熱は、温水となって建物の中を流れ、AHUで空気へ熱を渡し、暖かい空気となって部屋へ届きます。
設備を見るときは、一台ずつではなく、熱・水・空気の流れを意識すると、設備全体が見えてきます。
最後に
このシリーズでは、「ボイラーって何?」というところから始まり、ボイラー設備全体の流れを見てきました。
現場では、一つの設備だけを見ても原因が分からないことがあります。
そんなとき私は、「熱はどこから来て、どこへ行くのか」という流れを考えるようにしています。
この考え方は、ボイラー設備だけではありません。
空調設備でも、冷凍機でも、給排水設備でも同じです。
一つ一つの設備には必ず役割があります。そして、それらはお互いにつながっています。
このシリーズが、設備を「点」ではなく「流れ」で見るきっかけになれば嬉しく思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
