前回の記事では、蛍光管と同じ形のLEDランプでも、すべての蛍光灯器具にそのまま取り付けられるわけではないと説明しました。
その理由の一つが、蛍光灯器具の「点灯方式」の違いです。
代表的な方式には、
- グロー式
- ラピッドスタート式
- インバータ式
があります。
外から見ると同じような蛍光灯でも、器具内部の仕組みは同じではありません。
今回は、それぞれの特徴と、自分が使っている器具を確認する方法を整理します。
グロー式とは?
グロー式は、点灯管を使って蛍光灯を点灯させる方式です。
点灯管は、
- グロー球
- グローランプ
- グロースタータ
などとも呼ばれます。
器具に小さな筒状の部品が取り付けられている場合、その部品が点灯管です。
壁のスイッチを入れると、点灯管が蛍光管の電極を予熱し、その後に蛍光灯が点灯します。
一般的な点灯管では、スイッチを入れてから少し間を置き、何度か点滅してから点灯することがあります。
ただし、電子点灯管を使用している場合は、比較的早く点灯します。
そのため、点灯する速さだけでグロー式かどうかを判断することはできません。
ランプの品番は、直管形では「FL」、丸形では「FCL」から始まるものが代表的です。
ラピッドスタート式とは?
ラピッドスタート式は、点灯管を使わず、蛍光灯を比較的早く点灯させる方式です。
事務所、店舗、工場などの直管蛍光灯で多く使われてきました。
点灯管が見当たらず、取り付けられている直管蛍光ランプの品番が「FLR」から始まっている場合は、ラピッドスタート式の可能性があります。
ただし、
点灯管がない=必ずラピッドスタート式
とは限りません。
次に説明するインバータ式にも、点灯管はありません。
ランプの品番だけでなく、照明器具の表示も確認する必要があります。
インバータ式とは?
インバータ式は、電子回路を使い、蛍光ランプを高い周波数で点灯させる方式です。
点灯管は使用しません。
従来の方式と比べて効率を高めやすく、ちらつきを感じにくいことなどから、家庭用や施設用の照明器具に広く使われてきました。
直管形では、ランプの品番が「FHF」から始まるものが代表的です。
丸形では、「FHC」などから始まるランプがあります。
ただし、インバータ器具の中には、FHF、FLR、FLなど複数のランプに対応する製品もあります。
そのため、
FHFが付いているから、必ずインバータ式
FLが付いているから、必ずグロー式
と、ランプだけで断定しない方が安全です。
まずは点灯管を確認する
点灯方式を確認するときは、最初に点灯管の有無を見ます。
点灯管が取り付けられている場合は、グロー式と考えられます。
ただし、照明器具のカバーを外さなければ確認できない場合は、無理に作業しないでください。
確認するときは電源を切り、ランプや器具が冷えてから行います。
器具を分解したり、内部の配線に触れたりする必要はありません。
次に蛍光ランプの品番を確認する
蛍光ランプには、種類を示す品番が印字されています。
代表的なものは次のとおりです。
- FL:直管形のスタータ形
- FLR:直管形のラピッドスタート形
- FHF:直管形の高周波点灯専用形
- FCL:丸形のスタータ形
- FHC:丸形の高周波点灯専用形
この品番から、現在取り付けられているランプの種類を確認できます。
ただし、ランプの種類と器具の方式が必ず一致しているとは限りません。
複数種類のランプに対応する器具もあるため、ランプの品番は判断材料の一つとして使います。
一番確実なのは器具の銘板
最も確実なのは、照明器具本体の銘板やラベルを確認することです。
銘板には、
- メーカー名
- 器具の品番
- 使用できるランプ
- 消費電力
- 製造時期
などが記載されている場合があります。
メーカー名と器具品番が分かれば、メーカーのホームページや取扱説明書から仕様を確認できることがあります。
文字が消えている、銘板が見つからない、古くて資料が残っていない場合は、見た目だけで点灯方式を決めない方が安全です。
点灯管がないだけでは判断できない
一般ユーザーが特に迷いやすいのが、
「点灯管が見当たらないから、ラピッドスタート式だろう」
という判断です。
点灯管を使用しない方式には、
- ラピッドスタート式
- インバータ式
の両方があります。
また、器具によっては点灯管の位置が分かりにくい場合や、電子点灯管が取り付けられている場合もあります。
そのため、
- 点灯管の有無
- ランプの品番
- 器具本体の銘板
- メーカーの取扱説明書
を組み合わせて判断することが大切です。
分からない場合はLEDランプを先に買わない
点灯方式を確認できないまま、
「同じ長さだから使えるだろう」
とLEDランプを購入するのは避けたいところです。
器具とLEDランプの組み合わせが適切でなければ、点灯しないだけでなく、器具内部の部品が異常に発熱する可能性もあります。
一般ユーザーが確認するのは、外から安全に見られる点灯管、ランプの品番、器具の銘板までです。
点灯方式を確認するために、器具内部の配線を外したり、安定器を調べるために分解したりする必要はありません。
それでも方式が分からない場合は、メーカーや電気工事店へ相談してください。
方式を確認した、その次に考えること
自分の蛍光灯器具が、
- グロー式
- ラピッドスタート式
- インバータ式
のどれなのか分かれば、LEDランプの適合条件を調べるための第一歩になります。
ただし、方式が分かったからといって、必ず既設器具を残してLED化する必要はありません。
器具の年数、内部部品の劣化、工事費、今後の保守まで考えると、器具ごと交換した方が合理的な場合もあります。
では、なぜ私は、LED管への改造よりも器具ごとの交換を基本に考えるのか。
次回は、
「なぜ私はLED管への改造より『器具ごと交換』を考えるのか」
をテーマに、費用、手間、経年劣化、今後の保守という視点から考えます。

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