なぜ蛍光灯はなくなる?2027年問題を「照明の世代交代」から考える

今から30年ほど前、学生だった私は、物理の先生からこんな話を聞きました。

「これからはLEDの時代になる」

当時のLEDは、機械や電化製品の表示灯に使われる「小さな光」という印象でした。

部屋を照らすものといえば蛍光灯が当たり前だったため、

「この小さな光が、本当に照明の主役になるのだろうか」

と感じていました。

それから約30年。

現在では、家庭、店舗、工場、街灯、自動車など、さまざまな場所でLEDが使われています。

そして今、一般照明用の蛍光ランプは、2027年末までに製造・輸出入が段階的に終了することになりました。

先生が話していた未来が、本当に現実になったのだと感じます。

2028年から使用禁止になるわけではない

「蛍光灯が2027年でなくなる」

このような話を聞くと、

「2028年になったら、今使っている蛍光灯も使えなくなるの?」

と不安になるかもしれません。

しかし、2028年から蛍光灯の使用が禁止されるわけではありません。

終了するのは、対象となる一般照明用蛍光ランプの製造と輸出入です。

現在使用している蛍光灯を、2028年になった瞬間に取り外す必要はありません。

廃止時期までに製造された在庫品の販売や使用も、禁止されるものではありません。

今すぐ慌てて交換するのではなく、

「次に交換するときはどうするか」

を考え始める時期が来たということです。

蛍光灯が悪い照明になったわけではない

蛍光灯が製造終了へ向かうと聞くと、

「蛍光灯は悪い照明だったの?」

と思う人もいるかもしれません。

しかし、蛍光灯は長い間、私たちの暮らしを支えてきた優れた照明技術です。

白熱電球が広く使われていた時代、蛍光灯には、

  • 消費電力を抑えやすい
  • 長く使用できる
  • 広い範囲を明るく照らせる

という利点がありました。

白熱電球から蛍光灯への移行も、当時の大きな技術の進歩だったのです。

その後、さらにLED技術が発達しました。

照明の歴史を大きく見ると、

白熱電球
↓
蛍光灯
↓
LED

という世代交代が進んできたと考えられます。

蛍光灯が突然悪いものになったのではありません。

より新しい照明技術が普及し、次の世代へ移る時期が来たということです。

なぜ製造・輸出入が終了するのか

蛍光ランプの製造・輸出入終了には、「水銀に関する水俣条約」が関係しています。

蛍光ランプは、内部に封入された水銀を利用して発光します。

水俣条約は、水銀による環境汚染や健康への影響を防ぐため、水銀を含む製品を国際的に管理する取り決めです。

条約の見直しにより、一般照明用の蛍光ランプは、種類に応じて2026年末または2027年末までに製造・輸出入が段階的に廃止されることになりました。

これは単に、

「メーカーがLEDを売るために蛍光灯をなくす」

という話ではありません。

水銀を使用しない照明への移行と、LED技術の普及が重なった結果と考えると分かりやすいでしょう。

今使っている蛍光灯はどうすればよい?

現在、問題なく点灯している蛍光灯を、製造終了の話だけで急いで交換する必要はありません。

ただし、次のことは確認しておきたいところです。

  • 照明器具を何年使用しているか
  • 点灯しにくい、ちらつく、異音がするなどの症状がないか
  • 次に交換するとき、どの方法を選ぶか

照明器具も電気製品です。

蛍光管だけでなく、器具内部の部品も使用年数とともに古くなります。

「まだ点灯しているから大丈夫」と決めつけず、器具の年数や状態も含めて考えることが大切です。

私は器具ごとの交換を基本に考える

蛍光管とよく似た形のLEDランプも販売されています。

そのため、

「器具はそのままで、蛍光管だけLEDに替えればよいのでは?」

と思うのは自然なことです。

ただし、蛍光灯器具には複数の点灯方式があり、LEDランプにも対応条件があります。

同じ形だから、そのまま使用できるとは限りません。

私は仕事柄、既設器具の内部を確認し、配線変更などを検討できます。

それでも一般家庭などでは、古い器具を残す方法より、器具ごとの交換を基本に考えます。

できることと、それをやる価値があることは別。

器具の年数、工事費、今後の保守まで含めて考えると、器具ごと新しくした方が合理的な場合があるからです。

さらに、器具を交換するなら、引掛シーリングなどへ変更し、次回の照明交換をしやすくしておく方法もあります。

この点についても、今後の記事で詳しく説明します。

今は「次を考え始める時期」

蛍光灯の製造・輸出入終了は、

「今すぐ全部交換しなければならない」

という話ではありません。

一方で、

「まだ使えるから、何も考えなくてよい」

という話でもありません。

現在使っている照明器具の種類や年数を確認し、交換時期が来たときに慌てないよう、次の選択肢を考えておく。

今は、その準備を始める時期です。

照明設備は、点灯するかどうかだけではなく、これからの手間、費用、安全性、交換のしやすさまで含めて考えることが大切です。

次回は、

「蛍光管だけLEDに交換できる?まず知っておきたいこと」

をテーマに、既設の蛍光灯器具へLEDランプを取り付ける前に確認したい内容を説明します。

参考資料

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